ソフトボールと野球の決定的な違いを知って東京オリンピックを楽しもう!

 

ソフトボールも、2つのチームが攻撃と守備に分かれ、規定回数内(正式試合では7回)で攻守交替しながら得点を競い合います。

 

そこは野球と似ているので同じではないか、と勘違いしそうですよね。

 

基本的なルールや見た目の印象が同じように見えるソフトボールと野球ですが、ソフトボールはグラウンドが小さく、ピッチャーは下から投げるなどの誰もが知っている違い以外にも技術的な違いが、実はたくさんあります。

野球は長い歴史を持ち、日本の国民的スポーツともいえます。プロ野球をはじめ、大学野球や高校野球も絶大な人気を誇ります。アメリカから伝わったスポーツではありますが長い間にわたって多くの人々に愛されてきました。

 

一方、日本でのソフトボールは、気軽に行えるスポーツとして、学校の体育の時間やクラブ活動や地域のレクリエーションなど、身近な存在として普及してきました。

 

一見、ソフトボールと野球は、似ているようで全く異なるスポーツといってもいいほどで、細かな違いはたくさんありますが、ここでは「ソフトボールと野球の決定的な違い」についてご紹介していきましょう。

 

2021年の東京五輪にて、女子ソフトボール、男子野球と共に正式種目に復活し、世界の強豪国との熱い戦いが繰り広げられます。東京五輪までにソフトボールと野球の違いを理解し、意外に知られていないルールなども確認しておきましょう。

 

プレイヤーはもちろんですが、観戦オンリーの人も、基本的なルールの違いを理解しておくことで、より楽しめるようになること、間違いなしです!


フィールドの違い

グラウンドの広さ
ソフトボールは、ホームベースから外野フェンスまでの距離は男子が68.53m以上、女子が60.96m以上。ボールが飛びにくいだけに、球場も狭くなっています。ちなみに、野球場は右中間や左中間が深いのですが、ソフトボールはホームベースからの外野フェンスまで距離が一定です。
球場はソフトボールに比べ、野球の方が広くなっています。野球は、ホームベースから外野フェンスまでの距離は男子が76.2m以上、女子が67.06m以上。一般的な野球場はレフト・ライトフェンスまでの距離が90〜100m、バックスクリーンまでは120m前後です。

 

塁間距離
塁間の長さもそれぞれ異なります。野球の塁間は27.431mに対し、ソフトボールの塁間は男子14.02m、女子13.11m。バッターボックスも野球は11.9cm×182.8cm、ソフトボールは91cm×213cmと、形も若干異なります。
さらにソフトボールの一塁ベースには「ダブルベース」と呼ばれる、白とオレンジのベースが設置されているのです。その理由は、ソフトボールは塁間が狭いので、バッターランナーと野手が交錯しやすいから。オレンジベースは打者走者しか使えず、一塁を駆け抜けるときに踏みます。

 

ピッチャーの投球距離
ピッチャーとキャッチャー間の距離は野球が18.44mなのに対して、ソフトボールは男子が14.02m、女子が13.11mです。一般的にソフトボールの方が球速は出にくいのですが、距離が近いため体感速度は野球より速くなります。その速度は、プロならば160〜170km/hに及ぶこともあるそうです。
また、野球の場合はピッチャーマウンドという盛り上がった場所から投球するのに対し、ソフトボールは平坦な場所から投球します。これも、大きな違いの1つです。

 

 

用具の違い

ボールの大きさ
ソフトボール(3号球)は、30.48cm、重さ190〜195gであるのに対し、野球(硬式球)が周囲22.9〜23.5cm、重さ141.7〜148.8gと、大きさ・重さともにソフトボールが大きいし重いです。
実際に手に持ってみると、ソフトボールの方が多少投げにくさを感じるでしょう。

 

バットの大きさ
バットは、長さ86.4cm(34インチ)以内、重さ1077g(38オンス)以内、バットの一番太い部分の直径が5.72cm以内で材質は金属バットが主だ。野球のバット(長さ42インチ以下、直径2インチ4分の3以下、材質木材)よりも細いバットが使われ、1号〜3号まで、ボールの号数に合わせた3種類のバットがあります。

 

グローブ
ソフトボールと野球で使用される球の大きさが異なるとなると、その球をキャッチするグローブの大きさにも違いが現れます。
グローブにはボールをキャッチする場所である「ポケット」と呼ばれる部分がありますが、大きなボールを使用するソフトボールでは、ポケットの大きさが深く大きくなっているのが特徴的です。
スポーツショップなどでは「軟式/ソフト兼用」「軟式/硬式兼用」などなど、種類が別れていて、それぞれの特徴に合わせて購入するようになります。

 

 

ルールの違い

ピッチャーのフォーム
野球とソフトボールの分かりやすい大きな違いが、ピッチャーの投球フォームです。野球の場合は上手や横手などさまざまなフォームで投げますが、ソフトボールは下手投げが義務付けられています。ソフトボールはルールも厳しく、投げるときに肘と手首が体の側を通過しなければなりません。体から離れて投げると、不正投球になってしまうこともあるのです。さらに腕回転は1回まで、半径2.44m内のピッチャーズサークル内での投球など、さまざまな制限が定められています。

 

イニング数
野球は基本的に9回までプレーしますが、ソフトボールは7回まで。さらに野球は9回で決着がつかなければ「延長戦」を行うのに対し、ソフトボールでは8回からノーアウトランナー2塁で行う「タイブレーク制度」を導入しています。

 

交代ルール
野球は1度交代されてベンチに退くと、その試合に再び出場することはできません。一方でソフトボールは、1度退いた後も再び同じ打順に復帰できる「リエントリー制度」が導入されています。そのため、ソフトボールでは試合序盤に代打や代走を起用することも珍しくないのです。
なお、プロ野球のパリーグではDH制(指名打者制度)と言い、打撃専門の選手を登録することができます。しかしソフトボールでは、DP(打撃専門)とFP(守備専門)の選手登録が可能です。DP制度を使用すると10人が出場可能となり、打撃はDPの選手、守備はFPの選手が対応します。

 

走塁ルール
プロ野球の試合では、よくランナーがリードを取っているシーンを目にするでしょう。これをピッチャーが牽制し、警戒する場面も多々あります。
しかし、塁間距離が短いソフトボールではリードが許されていないため、ピッチャーの手からボールが離れるまで塁から離れることを禁止。基本的にリードは認められていません。
ベースを離れてもいいタイミングは、あくまでも「ピッチャーがボールを投げた後」になります。

 

似たようなスポーツに見えても、実は違いの多い2つのスポーツ。野球は球の速さやダイナミックさ、ソフトボールは瞬時の判断力やスピード感が求められ、戦術もそれぞれ異なります。

 

2020年の東京オリンピックでは男子野球と女子ソフトボールが正式種目として復活するので、ますます人気を集めることでしょう。

 

ご自身でプレーする際はもちろん、試合観戦の際にも、それぞれの違いを頭に入れておくと新たな観点で楽しめます。

 

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